岡田ジャパンが就任以来初の“横綱相撲”で圧勝した。サッカーW杯アジア最終予選で19日、A組の日本は敵地ドーハでカタールに3-0で快勝、勝ち点7としてW杯出場圏内の2位を守った。「ドーハの悲劇」で知られる因縁の地で、岡田武史監督(52)がスローガンとして掲げる「パス&ムーブ」を選手が完璧にこなし、W杯4大会連続出場へ向け手応えをつかんだ。これで年内のアジア最終予選は終了。日本は来年2月11日、ホームで同組首位の宿敵・豪州と戦う。
1993年のW杯米国大会アジア最終予選以来となるドーハでの日本代表戦は「ドーハの勝劇」ともいえる完勝だった。
立ち上がりこそカタールの攻勢を受けたが、序盤から厳しい相手のプレッシャーをかいくぐって球を回し、前半19分に右サイドの内田(鹿島)の縦パスにFW田中達(浦和)が反応。猛ダッシュでDFの間を抜け出し、先制ゴール。「(内田)篤人からいいボールが来たので流し込むだけだった」と、相手GKの股間を抜く技あり弾だった。
主導権を握った日本は後半2分、長谷部(ウォルフスブルク)からのパスをFW玉田(名古屋)が得意の左足でダイレクトでゴールに突き刺すミドルシュートを決めた。
得点力不足を酷評されてきたFW陣の活躍で、カタールの戦意を喪失させると、試合は終始日本のペースに。
GK楢崎(名古屋)とDF中沢(横浜)の欠場で心配された守備陣も、センターバックでW杯予選初出場となった32歳のDF寺田(川崎)と闘莉王(浦和)のコンビを中心に、相手エース、セバスティアンを完封。闘莉王のピンチは、左ひざに故障を抱えたMF中村(セルティック)が守備に回ってカバーした。
「前の3人がドリブルで気持ちよくやれていた。中盤はそれを作るだけ。僕は作る方に回って守備にも力を入れた」と中村。
試合を決定づけたのは後半23分の闘莉王の3点目。右ショートコーナーから中村のファーサイドへのクロスを頭で合わせた。「(中沢)ユウジさん、ナラ(楢崎)さんが安心してみていられたと思う」と胸を張った。
最後はカタールがラフプレーを連発したが、日本は中東特有の挑発にものらず、完璧な試合運びで勝ち点3を積み上げた。最終予選3戦目で初めての無失点。日本代表にとって、カタールとは6戦目で初めて挙げた勝利でもあった。
「思ったより暑くなかったから、いい試合をしてくれると思ったが、結果もついてきてくれた」。試合終了後、ようやくホッとした表情を見せた岡田監督。その言葉通り、アウェーの日本にとって、試合中の気温が「神風」となった。
というのも、半月前にロケハンしたチームスタッフから「試合開始時の気温は30度近くになり蒸し暑くなる」との報告を受けていた。が、この日は20度そこそこ。涼しさが日本に幸いした。
【岡田監督「精度を上げていかないと」】
最終予選第2戦(対ウズベキスタン)での「ボールしか動いていなかった」反省を踏まえ、「パス&ムーブ」のサッカーを実践できたこともまた、岡田ジャパンの進化を印象づけた。
「僕たちは相手のことではなく自分たちのコンセプトに沿って何ができて、何ができていないかをチェックしている。ウズベキスタン戦でできなかった戻り、攻撃のときのパス&ムーブを重点的に言ってきた。いい形を何度か作ってくれていたので、少しずつ良くなっている」と岡田監督。
昨年12月7日にオシム前監督が倒れたことで緊急登板となった2度目の指揮もまもなく1年。中村は「オシムさんの時代からサッカーが良い方向にきている」と話した。
岡田監督は「まだまだ先は長いし、予選は何が起きるかわからない。もっと精度を上げていかないといけない」といい、2月11日のオーストラリア戦に向けて「12月に1泊のミニキャンプをして意思統一を図りたい」と公表。勝っておごらずの気持ちを選手に徹底させることを強調していた。
ー夕刊フジ ー
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