◆北京五輪 サッカー女子 1次リーグG組 日本5−1ノルウェー(12日・上海スタジアム) “上海の奇跡”だ! なでしこジャパンが土壇場で生き残った。日本女子代表は1次リーグ最終戦でノルウェーに5−1で大逆転勝ちし、G組3位で決勝トーナメントに進出した。勝利しか許されない状況で前半27分に先行を許したが、同31分にDF近賀ゆかり(24)が同点弾。後半6分にラッキーなオウンゴールで勝ち越すと、FW大野忍(24)=ともに日テレ=などのゴールで、シドニー五輪の女王を撃破した。アテネに続いて2大会連続となる準々決勝進出で、15日は開催国・中国と激突する。
これがなでしこの底力だ。勝つしかない状況で1点をリードされ、迎えた前半31分。左サイドからMF宮間がファーサイドにクロス。そこにフリーで飛び込んだDF近賀。右足ボレーでネットを揺らした。「1試合で失点の重みを感じた」。6日の初戦ニュージーランド戦でクリアせずに見送ったボールを先制弾として押し込まれ、責任を感じていた。汚名返上の一撃。苦しみから解放されるかのようにガッツポーズし、駆け寄ったMF沢に飛びついた。
世界ランク5位の強豪にもひるまなかった。試合前の宿舎で佐々木則夫監督(50)はF組3位だった北朝鮮がドイツに0−1で敗れたのを知った。「1点差で勝てばいい。もし1点取られても、2点返すことが君たちは可能だ。あわてずに1点ずつ返せばいい」と指示した。その言葉を信じたイレブンは、誰もが予想しなかったゴールラッシュを演じた。
猛攻をしかけ、後半6分に相手オウンゴールで勝ち越し。そしてエースFW大野は虎視眈々(たんたん)と狙っていた。「消極的なプレーではなく、仕掛けてシュートを打とうと思っていた」ドリブル突破からミドルシュート。3点目で突き放した。上海に移動して11日からアルゼンチン男子と同宿。大ファンのメッシ(バルセロナ)からサインをもらい、一緒に記念撮影。「もうストーカーみたいです」。父は横浜Mの前身の日産自動車のプレーヤーだった。両親が応援してくれる今大会最後の試合で、奇跡の大逆転劇のノロシを上げた。
この日は日本から持参した東京・熊野神社の八咫烏(やたがらす)のお守りをサッカーパンツの中にみんなで忍ばせた。2つのうち、1つはニュージーランド戦で“使用”。2つ目は大逆転勝利を演出した。エース沢も代表通算71点目で北欧の強豪にとどめを刺した。
2大会連続の8強。準々決勝は中国と激突する。今年は公式戦で1勝1敗。秦皇島では大ブーイングの完全アウェーが待っている。「開催国と戦うことは名誉なこと。私たちのサッカーを数多くの人に注目してもらえる」と指揮官。沢は「3度目ですし、今回の五輪にかけてるものは誰よりも強い」。なでしこは世界の頂点を目指して走り続ける。
ースポーツ報知ー





