アジアチャンピオンズリーグ決勝第1戦(7日、イラン・イスファハン)日本勢初のACL制覇を狙う浦和はセパハン(イラン)と1-1引き分け。日本代表MF阿部勇樹(26)らが敵地で価値あるドローをつかんだ。大会はアウエーゴール制を採用しており、14日の第2戦(埼玉ス)で浦和が勝つか0-0ドローなら浦和の優勝、1-1ドローなら延長、PK戦となり、負けか2点以上のドローの場合はセパハンの優勝となる。
日本から8000キロ離れた中東の山間に、「We are Reds!!」の歓声がこだました。照明の明るさがJリーグの基準の半分程度しか満たさない薄明かりのなか、アウエーで価値ある1-1ドロー。立役者は浦和で初めて右サイドに入った阿部だ。
「練習でもやっていない。どうやればいいか、正直はっきりしなかった。戸惑いもあったけど、与えられたなかで、できることをやった」と振り返る。浦和に移籍して、実に6つ目のポジションだ。
右MFでの起用はこの日突然、伝えられた。オジェック監督は「対戦相手を考えると、右サイドの守備がとても重要な役割を占めると思って使った」と説明した。「もうちょっとドリブルできたら」と苦笑を浮かべた阿部だが、指揮官の期待に応え、十分にポリバレント(多様性)ぶりを発揮し、ドローに貢献した。
絶対的な敵地だった。連なる“砂山”に囲まれたスタジアムには、アウエー独特の異様なムードが漂う。標高は約1600メートル。当然酸素は薄く、乾燥もしていた。MF平川が「ものすごくのどがかわいた。感じたことのないくらい」とせき込めば、MF鈴木も「のどがカラカラ」と話した。また、荒れたピッチについてはDF堀之内が「固いし波打っていた」と正方形に近いピッチについて証言。さまざまな要因が浦和に襲いかかった。
もちろん、できる限りの対策は講じてきた。日本とイランの5時間30分の時差を調整するため、連日30度を超えるUAE・ドバイで合宿を敢行。ただ、一方で寒暖差はネックとなった。試合当日も早朝は気温が5度まで下がるほどで、夏から冬へ移動したような感覚だ。それでも、ACLでは敵地での厳しい試合を戦い抜いてきた浦和。苦戦を強いられながら、引き分けで終えた。
オジェック監督が「目標はあくまで次の試合で勝つこと。アウエーで次につながるような結果を目指し、ある程度できた」と言えば、阿部も「あともう1試合。そこで勝てば優勝。ホームでは勝ちにいきたい」。
さあ、次は14日の第2戦。もちろん、5万超のサポーターが待ち構えるホーム・埼玉スタジアムだ。アウエーでの得点を倍と換算するアウエーゴール制により、0-0でも優勝が決まるが、勝利しか頭にない。日本のクラブとして初めてのACL制覇まであと1試合。アジアの頂点は、すぐ手の届くところまで来ている。
ーサンケイスポーツー







