反町ジャパンが過去最大級のアウエー戦に耐えて、価値あるドローをつかんだ。
U-22(22歳以下)日本代表は開催国の同中国代表と対戦。
約5万人の相手サポーターから大ブーイングが降り注ぎ、審判団4人全員が中国人という異常な状況下で、相手の猛攻を受け止めた。
90分間、集中力を切らさずゴールを死守し、0-0の引き分けに持ち込んだ。
中国に首位の座を明け渡し、自力Vは消滅したが、5日の最終戦ボツワナ戦で逆転優勝に挑む。
言いたいことは、ヤマほどあった。
だが、覚悟を決めて臨んだ一戦で収穫を得た喜びに勝るものはない。
反町監督は「今日は体を張った守備とか、気持ちが表れていた。よくやったと誉めてやりたい」と振り返る。
普段は冷静に試合を分析する指揮官の声は、かすかに震えていた。
地元ファン約5万人に加え、試合開始前のセレモニーで観衆とともに国歌斉唱した中国の審判団4人。かつて経験したことのない完全アウエーだった。
相手に体を寄せるだけでファウルを取られ、抗議の姿勢を見せただけで厳しく注意を受けた。
一方で、後半35分にDF田中が中国FW朱挺に思い切り左足を蹴られてもプレー続行だ。
ファウルを取られた数は、中国の16に対して日本は倍以上の35(日刊スポーツ調べ)。
日本は警告を4度もらい、中国は1度だけだった。
反町監督が「私もサッカーを始めて30何年たつけど、こんなレフェリーの裁断でやったのは初めて。大会全体にクエスチョンマークがつく」とあきれるほどの公正さを欠く試合だった。
だが、選手たちは冷静さを保ち続けた。
失点に直結するPKを与えないよう、劣勢の中でペナルティーエリアの外までラインを上げて、ボールを奪い続けた。
安田が「こういう状況は予想していた。激しく行くのが自分の持ち味だけど、我慢した。シンプルに戦おうと努めた」といえば、再三のピンチを好セーブで防いだGK西川も「主将を任されていたし、とにかく冷静にとみんなに呼び掛けた。自分のプレーで観客を黙らせたのは気持ちよかった」と胸を張った。
結果は引き分けに終わったが、過酷なアウエーの経験は、22日のベトナム戦から始まる五輪最終予選で生きる。
「こうしたぎりぎりでの戦いの中でこそ、強化を図れる。選手の財産になった」と反町監督。
4大会連続の五輪出場へ、強い逆風に耐えるたくましさを選手たちは身に着けた。
ー日刊スポーツ 山下健二郎ー





