アジア杯3位決定戦(28日、パレンバン)3位決定戦で日本は韓国と対戦し、0-0からのPK戦で5-6、3位を逃した。
後半12分からの数的優位も生かせず、延長前後半を通じて無得点に終わった日本。
イビチャ・オシム監督(66)は、就任後初となる宿命のライバルとの一戦に、無念の敗戦となった。
象徴的なシーンだった。
6人目のキッカー、MF羽生の正面へのシュートは相手GK李雲在の右手に当たり、空高く舞い上がった。
顔を両手で覆い、号泣する“まな弟子”の姿に、ロッカーから再び出てきたオシム監督は1つため息をつき、ピッチを見つめた。
「正確には負けたのではありません。PK戦はサッカーでは負けにならない」。
記録上は引き分け。
しかしPK戦前の円陣に初めて加わるなど、勝利への意識は相当に強かった。
3連覇狙いが、次大会の予選免除も与えられる3位の座も逃し、ライバル・韓国に敗れたという事実に悔しさがにじんでいた。
戦前は控え組の投入も示唆していた指揮官だが、結局は初戦カタール戦と同じスタメンから、DF今野を駒野に入れ替えただけ。
「負けた試合の後はチームをいじるという原則がサッカーにはある。
しかし、私は反対のやり方にトライした」。来年開幕の南アW杯アジア予選では豪州と並び最強ライバルになる相手。
2日を移動に費やす過酷環境の中、未来への“投資”としてアジア杯を戦ってきたメンバーを信頼した。
しかし、オシム監督は言う。
「この比喩はひんしゅくを買うかもしれないが」としながら「2回ズボンを下ろして、見せるべきでないものを2回も見せてしまった」。
サウジ戦同様に疲労の中、アイデアに乏しかった攻撃陣に苦言を呈した。
「サラエボには『同じチャンスは2度と来ない』という言葉がある。2回のチャンスを生かせなかった人は、もうチャンスが巡ってこないかもしれない」。
1試合1試合が真剣勝負。
だからこそ、厳しい言葉を並べた。
ただ不満だけが残った1カ月ではない。
「興味のある方は日本がアジア王者になった映像と、きょうの試合を比べてみてください。どちらの日本代表がいいサッカーをしているか。スコアでなく内容を見てください。(過去2大会の監督の)トルシエ、ジーコ、当時の選手には敬意を持ってますが」と言い切ったのだ。
『考えて走るサッカー』。
他国のマネではない、日本人の俊敏性を生かす方法論に自信も深めている。
就任から1年の未完成状態で、ドイツW杯で惨敗した豪州にPK勝ちを収め、南アW杯出場4.5枠のアジアで4強入りした事実は、確かに誇れるものだ。
「違う意見の方もいるかもしれないが、私は私の考えを持っている」。
自信を込め、そう会見を締めくくった老将の目には、世界と互角に戦う日本の姿が確実に見えている。
ーサンケイスポーツー





